アハラノフ-ボーム効果のエッセンスについて

マクスウェル方程式の微分型の磁束保存の式(あるいは磁性に関するガウスの法則)が\(\boldsymbol{\nabla}\cdot\boldsymbol{B} = 0\)であることより,
通常の境界条件では\(\boldsymbol{B}\)は純粋な回転で発散を持たないと考えられるので\(\boldsymbol{B} = \boldsymbol{\nabla}\times\boldsymbol{A}\)のように
なるあるベクトル場\(\boldsymbol{A}\)が存在する.このベクトル場\(\boldsymbol{A}\)はベクトルポテンシャルと呼ばれている.
するとストークスの定理より,
\begin{align}
\int _S\boldsymbol{B}\cdot\boldsymbol{n}ds
=
\int _S(\boldsymbol{\nabla}\times\boldsymbol{A})\cdot\boldsymbol{n}ds
=
\oint _{\Gamma = \partial S}\boldsymbol{A}\cdot d\boldsymbol{\ell}
\end{align}
が成り立つ.

さてここで右辺の周回積分が\(\Gamma\)上でのみ定義されていることに注意しよう.
左辺の面積分がゼロでないとき,当然右辺もゼロでないがその値は\(\Gamma\)上のベクトルポテンシャル\(\boldsymbol{A}\)の値のみによって
決まってしまう.したがって仮に磁束が\(\Gamma\)より内側に集中しているとき,\(\Gamma\)上では磁場がないにもかかわらずその周回積分はゼロでない値を持つことになる.
これがアハラノフ-ボーム効果のエッセンスである.より具体的にイメージしやすいように図1の状況を考える.
図1ではx-y平面の原点を紙面の上向き\(z\)軸方向の正の向きに一定の大きさ\(B_z>0\)の磁場が貫いているものと仮定している.
いま原点付近の小さな領域\(\Delta S\)以外には磁場はないものと仮定する.
このとき磁場は\(\Delta S\)上だけ1となり他は全部0となる定義関数\(\chi (x,y)\)により\(\boldsymbol{B} = \chi (x,y)B_z\boldsymbol{e}_z\)と書ける.
この仮定は実際には\(z\)軸方向を向いた非常に細長いソレノイドコイルを用いることによってかなり正確に近似できる.
すると\(B_x = B_y = 0\)となるので,ベクトルポテンシャルは図のようにx-y平面内の反時計回りの渦で表されることになる.
いま,\(\Gamma\)上を含めて原点付近以外磁場はないが式(1)にこの状況を代入すると,
\begin{align*}
\oint _{\Gamma = \partial S}\boldsymbol{A}\cdot d\boldsymbol{\ell}
&=
\int _S\boldsymbol{B}\cdot\boldsymbol{n}ds
\\&=
\int _S\chi (x,y)B_z\boldsymbol{e}_z\cdot\boldsymbol{e}_zds
\\&=
\int _S\chi (x,y)B_zds
\\&=
B_z\Delta S
\end{align*}
となる.
これをみると確かに\(\Gamma\)上に磁場はないのに左辺の周回積分がゼロでないことが分かる.
これは例え古典論でも実際に測定にかかる磁場よりベクトルポテンシャルの方がより,本質的であることを示唆している.

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中学生でも分かる易しいローレンツ変換の導出

コロナ禍で世界のライフスタイルが変わってだんだん家で過ごす時間が長くなってきましたが,
皆さんはどのようにお過ごしでしょうか.

ども,竜太です.
今回は中学生にも分かるように平坦な時空の座標変換の一つであるローレンツ変換を導きます.
ローレンツ変換は静止系に対して等速直線運動する物体の座標に変換する座標変換で理工系の大学生のほぼ必須の知識となっています.
通常大学の講義で学ぶローレンツ変換は実はその導出に必要となる数学は大変易しく,中学生レベルの数学しか用いなくても
導出できます.とはいえ,概念的には中学生にはやや難しい面もありますので,ここではなるべく簡単にご紹介いたします.

静止系に対して速度\(v\)で等速直線運動する系は一般性を損なわずに,その運動方向に\(x\)軸を取ることができます.
このとき静止系の座標軸を\(x,y,z\),静止系に対して等速直線運動する系の座標軸を\(X,Y,Z\)とします.
ただし,分かりやすく区別するため静止系を\(k\)系,静止系に対して等速直線運動をする系を\(K\)系とします.
いま,簡単のためそれぞれの時刻がゼロのとき,それぞれの座標原点が重なっているものとします.
それぞれの時刻という表現に違和感を感じた方もいるでしょうが,相対論では時間の流れが観測者が異なれば異なるのが普通なので
別々の文字によって表すことにします.すると\(k\)系の時刻を\(t\),\(K\)系の時刻を\(T\)とすれば,
\((t,x,y,z) = (0,0,0,0)\)のとき\((T,X,Y,Z) = (0,0,0)\)が成り立つこととして表されます.
というのも\(k\)系の時刻\(t=0\)のときの\(k\)系の座標原点\((x,y,z) = (0,0,0)\)が\(K\)系の時刻\(T = 0\)のとき
\(K\)系の座標原点\((X,Y,Z) = (0,0,0)\)が重なっているからです.また言うまでもありませんがこのとき\(K\)系の\(Y,Z\)軸は
それぞれ\(k\)系の\(y,z\)軸に重なるように選んでおきます.なお,\(X\)軸についてはこの定義より自動的に\(x\)軸に
重なることに注意してください.

さて,今求めたいのは\(k\)系から見て\(K\)系の位置関係はどうなっているのかということです.
これは\(t,x,y,z\)を用いて\(T,X,Y,Z\)を求めることです.

まず最初に簡単なところから始めましょう.\(K\)系の運動方向は\(k\)系の\(x\)軸方向のみでそれぞれの時刻ゼロのときに
\(X,Y,Z\)軸は\(x,y,z\)軸に重なっているのですから,任意の時刻で\(Y=y,Z=z\)が成り立ちます.一方,時刻\(T\)と座標\(X\)
についてはこう簡単にはいきません.

以下の議論は間違っているのですが,ちょっと想像力を働かせると次のように思うかもしれません:
\((T,X,Y,Z) = (0,0,0,0)\)のとき\((t,x,y,z) = (0,0,0,0)\)で任意の時刻で\(Y=y,Z=z\)なのだから\(T=t\)であり,
また,物体の位置が\(x=x_0\)で静止しているとき,\(X\)は\(K\)系が\(k\)系の\(x\)軸方向に速度\(v\)で運動しているから\(K\)系
から見てこの物体は速度\(-v\)で運動しているように見えるはずだから,時間が\(T=t=T_0\)流れた時のこの物体の位置は
\(X = x_0 – vt_0\)となる,つまり座標変換の式は\(X = x-vt\)だ!と.

上の議論はついうっかり間違っていると書いてしまいましたが,ニュートン力学の議論としては完全に正しいものに
なってます.間違っていると書いたのは光速度不変の原理が考慮されていないため相対論的議論になっていないからです.
このニュートン力学的な座標変換のことをガリレイ変換と呼びます.
光速度不変の原理まで考慮した相対論的に正しい議論は以下のようになります:

いま時間と空間の一様性より,変換の式は線形,つまり一次式で書けるとしてよいです.
すると求める変換の式は次のように書けます:
\begin{align*}
&
T = At+Bx,
\\&
X = Ct+Dx,
\\&
Y = y,
\\&
Z = z
\end{align*}
ここで次のことに注意しましょう.
まず\(A,D> 0\)に注意してください.
というのも\(k\)系で時刻\(t\)や座標\(x\)が増加したら\(K\)系の時刻\(T\)や座標\(X\)も増加するべきだからです.
でないとそれぞれの座標軸が逆向きであることになってしまいます.

次に,上の式で\(k\)系の時刻\(t\)における\(K\)系の座標原点の位置を求めてみましょう.
いま,\(t = t\)のとき,\(K\)系の座標原点は\(k\)系から見て\(x\)座標が位置\(x = vt\)の位置にあります.
よって\((T,X,Y,Z) = (T,0,0,0)\)の時空点に\((t,x,y,z) = (t,vt,0,0)\)が対応しますから,\(X = Ct+Dx\)に
代入して,\( 0 = Ct+Dvt \)より\(C = -Dv\)になります.

ここまでは光速度不変の原理を用いておりません.

さて今から光速度不変性の原理を用いてみましょう.
\(k\)系の座標原点から時刻\(t=0\)に光の球面波を放出したものします.
このとき,時刻\(t=t\)に個の球面波の先端が\((x,y,z) = (x,y,z)\)まで届いたとすると進んだ距離の実測値の自乗は
\(c^2t^2 = x^2+y^2+z^2\)となります.一方同じ事象を\(K\)系から観測すると光速度不変の原理よりやはり
\(c^2T^2 = X^2+Y^2+Z^2\)となりますのでこの式に変換式を代入すると,
\begin{align*}
0
=&
c^2(At+Bx)^2 – (D(x-vt))^2 – y^2 – z^2
\\=&
c^2(A^2t^2 + 2ABtx + B^2x^2) – D^2(x^2 – 2vtx + v^2t^2) – y^2 – z^2
\\=&
(c^2A^2 – D^2v^2)t^2 + (2c^2AB + 2vD^2)tx + (c^2B^2 – D^2)x^2 – y^2 – z^2
\end{align*}
が得られます.
ここで\(c^2t^2 = x^2 + y^2 + z^2\)より,\(y^2 + z^2 = c^2t^2 – x^2\)だから
\begin{align*}
0
=&
(c^2A^2 – D^2v^2)t^2 + (2c^2AB + 2vD^2)tx + (c^2B^2 – D^2)x^2 – y^2 – z^2
\\=&
(c^2A^2 – D^2v^2)t^2 + (2c^2AB + 2vD^2)tx + (c^2B^2 – D^2)x^2 – c^2t^2 + x^2
\\=&
(c^2A^2 – D^2v^2 – c^2)t^2 + (2c^2AB + 2vD^2)tx + (c^2B^2 – D^2 +1)x^2
\end{align*}
が得られます.以上より,
\begin{align}
&
c^2A^2 – D^2v^2 – c^2 = 0,
\\&
2c^2AB + 2vD^2 = 0,
\\&
c^2B^2 – D^2 +1 = 0,
\end{align}
が得られるので,まず2番目の式の自乗に第1式の\(c^2A^2\)を代入することより,
\begin{align*}
c^2B^2
=&
-\frac{v^2D^4}{c^2A^2}
\\=&
-\frac{v^2D^4}{v^2D^2+c^2}
\end{align*}
が得られますが,これは第3式より\(D^2 – 1\)に等しいので,
\(D^2 -1 = -\frac{v^2D^4}{v^2D^2+c^2}\)となります.
これを\(D>0\)に注意して解くと,
\begin{align*}
D = \frac{1}{\sqrt{1-(v/c)^2}}
\end{align*}
となります.
次にこれを第1式に代入して\(A>0\)に注意して解くと,\(A=D=1/\sqrt{1-(v/c)^2}\)が得られます.
最後に第2式で\(A,D>0\)より\(v>0\)のとき必然的に\(B<0\)となるので,第3式より, \begin{align*} B = -\frac{\frac{v}{c^2}}{\sqrt{1-(v/c)^2}} \end{align*} となります. 以上をまとめると,ローレンツ変換は \begin{align} & T = \frac{1}{\sqrt{1-(v/c)^2}}\left(t - \frac{v}{c^2}x\right), \\& X = \frac{1}{\sqrt{1-(v/c)^2}}(x-vt), \\& Y = y, \\& Z = z, \end{align} となることが分かりました.

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一般の逆行列とクラメルの公式を求める

\(A\)をある任意の正則行列とする.

また,\(A\)の\(i\)行目と\(j\)列目を取り除いてできた行列の行列式に\((-1)^{i+j}\)を掛けたものを
\(A\)の\((i,j)\)余因子といい\(\tilde{a}_{ij}\)で表す.
行と列の入れ替えにより,\((i,j)\)余因子は,
\begin{align*}
\tilde{a}_{ij}
=
\begin{array}{|ccccc|c}
& &j\text{列目}& & &\\
a_{11} & \cdots & 0 & \cdots & a_{1n} &\\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots &\\
a_{i1} & \cdots & 1 & \cdots & a_{in} & i\text{行目}\\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots & \\
a_{n1} & \cdots & 0 & \cdots & a_{nn} &
\end{array}
\end{align*}
に一致することに注意しよう.
このとき,\(\det A\)は,
\begin{align*}
\det A
&=
\begin{vmatrix}
a_{11} & \cdots & a_{1n} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
a_{n1} & \cdots & a_{nn}
\end{vmatrix}
\\&=
\begin{vmatrix}
a_{11} & \cdots & a_{1j} & \cdots & a_{1n} \\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{i1} & \cdots & a_{ij} & \cdots & a_{in} \\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{n1} & \cdots & a_{nj} & \cdots & a_{nn}
\end{vmatrix}
\\&=
\sum _{i=1}^n
\begin{vmatrix}
a_{11} & \cdots & 0 & \cdots & a_{1n} \\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{i1} & \cdots & a_{ij} & \cdots & a_{in} \\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{n1} & \cdots & 0 & \cdots & a_{nn}
\end{vmatrix}
\\&=
\sum _{i=1}^n
a_{ij}
\begin{vmatrix}
a_{11} & \cdots & 0 & \cdots & a_{1n} \\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{i1} & \cdots & 1 & \cdots & a_{in} \\
\vdots & \ddots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_{n1} & \cdots & 0 & \cdots & a_{nn}
\end{vmatrix}
\\&=
\sum _{i=1}^n
a_{ij}\tilde{a}_{ij}
\end{align*}
となるので,縦ベクトル
\(\displaystyle{
\boldsymbol{a}_j
=
\begin{pmatrix}
a_{1j} \\
\vdots \\
a_{nj}
\end{pmatrix}
}\)
を用いると
\begin{align*}
\det A
=
\sum _{k=1}^na_{kj}\det (\boldsymbol{a}_1,\cdots ,\boldsymbol{a}_{j-1},\boldsymbol{e}_k,\boldsymbol{a}_{j+1},\cdots ,\boldsymbol{a}_n)
=
\sum _{k=1}^n
a_{kj}\tilde{a}_{kj}
\end{align*}
が成り立つ.
一方,\(i\neq j\)のとき,
\begin{align*}
\sum _{k=1}^n
a_{kj}\tilde{a}_{ki}
=
\sum _{k=1}^na_{kj}\det (\boldsymbol{a}_1,\cdots ,\boldsymbol{a}_{i-1},\boldsymbol{e}_k,\boldsymbol{a}_{i+1},\cdots ,\boldsymbol{a}_n)
=
\sum _{k=1}^n\det (\boldsymbol{a}_1,\cdots ,\boldsymbol{a}_{i-1},\boldsymbol{a}_j,\boldsymbol{a}_{i+1},\cdots ,\boldsymbol{a}_n)
\end{align*}
より,行列式の\(i\)列目と\(j\)列目が等しいので全体はゼロになる.
以上より,
\begin{align*}
\sum _{k=1}^n
\tilde{a}_{ki}a_{kj} = \det A\delta _{ij}
\end{align*}
が成り立つので,\((i,j)\)成分に\((j,i)\)成分の余因子を持つ余因子行列を
\begin{align*}
\tilde{A}
=
\begin{pmatrix}
\tilde{a}_{11} & \cdot & \tilde{a}_{n1} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
\tilde{a}_{1n} & \cdots & \tilde{a}_{nn}
\end{pmatrix}
\end{align*}
とおくと,
\begin{align*}
\tilde{A}A = \det A I
\end{align*}
となるのでこの両辺に左側から\(\displaystyle{\frac{1}{\det A}A^{-1}}\)を掛けると,
\begin{align*}
A^{-1} = \frac{1}{\det A}\tilde{A}
\end{align*}
が得られる.
よって任意の正則行列\(A\)と任意の縦ベクトル\(\boldsymbol{b}\)に対して
\begin{gather}
A\boldsymbol{x} = \boldsymbol{b}
\end{gather}
の解は,
\begin{align*}
\boldsymbol{x}
&=
A^{-1}\boldsymbol{b}
\\&=
\frac{1}{\det A}\tilde{A}\boldsymbol{b}
\\&=
\frac{1}{\det A}\left(\sum _{k=1}^n\tilde{a}_{ki}b_k\right) _i
\\&=
\frac{1}{\det A}
\begin{pmatrix}
\det (\boldsymbol{b},\boldsymbol{a}_2,\dots ,\boldsymbol{a}_n) \\
\vdots \\
\det (\boldsymbol{a}_1,\dots ,\boldsymbol{a}_{n-1},\boldsymbol{b})
\end{pmatrix}
\end{align*}
となる.これはクラメルの公式として知られているものである.   

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量子力学のための数学(不確定性関係)

ひっさしぶりです。竜太です、ども。

今回は不確定性関係の導出をします。
不確定性とは次のようなものを指します:

まず、量子力学における期待値とは、任意のエルミート演算子\(\hat{A}\)に対して、
\[\langle\hat{A}\rangle := \langle\psi |\hat{A}|\psi\rangle\]
によって定義される積です。ここで\(|\psi\rangle\)は対象となる考えている量子系の状態になります。
このとき、偏差演算子\(\Delta\hat{A}\)を次によって定義します:
\[\Delta\hat{A} := \hat{A} – \langle\hat{A}\rangle\]
また、
\[\Delta A := \sqrt{\langle (\Delta\hat{A})^2\rangle}\]
と定義します。
このとき、
もし演算子\(\hat{A}\)と\(\hat{B}\)の間に、ある非負実数\(C\)が存在して
\[[\hat{A},\hat{B}] = iC\]
が成り立つとき、
\[\Delta A\Delta B \geq \frac{C}{2}\]
が成り立ちます。このように偏差の積が一定値未満に出来ないのでこの関係を不確定性関係と呼びます。
例えば演算子\(\hat{x}\)と\(\hat{p}\)の間には\[[\hat{x},\hat{p}] = i\hbar\]の関係があるとき、
\[\Delta x\Delta p \geq \frac{1}{2}i\hbar\]
となり、もっともよく知られた不確定性関係が得られます。

さて、これを示してみましょう。
次のようにします:
任意のエルミート演算子\(\hat{A}\)に対して\(\langle|\hat{A}|^2\rangle \geq 0\)に注意します。
するとエルミート演算子\(\hat{A}\)と\(\hat{B}\)に対してある実数\(C\)が存在して、
\[[\hat{A},\hat{B}] = iC\]
が成り立つものとする。
すると、任意の実数\(\alpha\)に対して
\begin{align*}
\langle |\alpha\Delta\hat{A} + i\Delta\hat{B}|^2\rangle
=&
\langle (\alpha\Delta\hat{A} + i\Delta\hat{B})^{\dagger}(\alpha\Delta\hat{A} + i\Delta\hat{B})\rangle
\\=&
\langle (\alpha\Delta\hat{A}^{\dagger} – i\Delta\hat{B}^{\dagger})(\alpha\Delta\hat{A} + i\Delta\hat{B})\rangle
\\=&
\langle (\alpha\Delta\hat{A} – i\Delta\hat{B})(\alpha\Delta\hat{A} + i\Delta\hat{B})\rangle
\\=&
\langle(\Delta\hat{A})^2\alpha ^2 + i\Delta\hat{A}\Delta\hat{B}\alpha – i\Delta\hat{B}\Delta\hat{A}\alpha + (\Delta\hat{B})^2\rangle
\\=&
\langle(\Delta\hat{A})^2\alpha ^2 + i[\Delta\hat{A},\Delta\hat{B}]\alpha + (\Delta\hat{B})^2\rangle
\\=&
\langle(\Delta\hat{A})^2\alpha ^2 – C\alpha + (\Delta\hat{B})^2\rangle
\\=&
\langle(\Delta\hat{A})^2\rangle\alpha ^2 – \langle C\rangle\alpha + \langle(\Delta\hat{B})^2\rangle
\end{align*}
となりますが、これがゼロ以上だから、
\[\langle(\Delta\hat{A})^2\rangle\alpha ^2 – \langle C\rangle\alpha + \langle(\Delta\hat{B})^2\rangle \geq 0\]
が成り立つべきです。
するとこの\(\alpha\)に関する2次関数は$x$軸と最大でも1点でしか交わらないので、判別式はゼロ以下です。
よって
\[D = \langle C^2\rangle – 4\langle(\Delta\hat{A})^2\rangle\langle(\Delta\hat{B})^2\rangle\leq 0\]
が成り立つのでこれを整理すると、
\[\sqrt{\langle(\Delta\hat{A})^2\rangle}\sqrt{\langle(\Delta\hat{B})^2\rangle} \geq \frac{1}{2}C,\]
つまり、
\[\Delta A\Delta B \geq \frac{1}{2}C\]
成り立つことが示せました。

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量子力学のための数学(シュレディンガー方程式)


ども,竜太です.大変長らくお待たせしました.
前回までで,ブラケット記法によるエネルギー演算子,運動量演算子の表式が導かれましたので直ぐにシュレディンガー方程式が導けるのですが,
この回は残念ながらブラケット記法の恩恵があまりなく,自分としてはもっと美しいことができないかと模索していたのですが,あまり上手くいかず悶々としておりました.
そもそも量子力学の学習はほぼ独学でやっていたため,見落としや抜けがあるかもしれません.
また,実際上の計算もほとんどの場合,通常のシュレディンガー方程式を解くことに帰着されそうで,私がここで展開してきた表記法が役立つ場面がなかなか見つかりませんでした.
そんなわけなので,この形式を用いてシュレディンガー方程式を導いても今のところ苦労の割に恩恵は少なそうですが,そのうち役に立つ場面が出てくることを想定して,今回シュレディンガー方程式を導いてみます.

まず,エネルギー演算子と運動量演算子は次のようなものでした:
\begin{align*}
\hat{E} =& -\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}
\\
\hat{\boldsymbol{p}} =& \int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}|
\end{align*}
ここで今,質量\(m\)の単一の点粒子を考え,その位置を\(\boldsymbol{x}\)とすると,全エネルギは\((全エネルギー) = (運動エネルギー) + (ポテンシャルエネルギー)\)となりますので,
\[E = \frac{1}{2}m\boldsymbol{v}^2 + V(\boldsymbol{x}) = \frac{\boldsymbol{p}^2}{2m} + V(\boldsymbol{x})\]
と書かれます.ただし\(\boldsymbol{p}^2 = \boldsymbol{p}\cdot\boldsymbol{p}\)は運動量同士の内積を意味します.
全エネルギーをこの形で書いたものは解析力学ではハミルトニアン\(H\)と呼ばれるものですので,これを演算子にすると,
\[\hat{H} = \frac{\hat{\boldsymbol{p}}^2}{2m} + V(\hat{\boldsymbol{x}})\]
となります.今我々が欲しい式はエネルギーについての等式なのですが,エネルギーについての演算子はエネルギー演算子\(\hat{E}\)とハミルトニアン\(\hat{H}\)がありますので,
\(\hat{E}\bigcirc = \hat{H}\bigcirc\)の形になります.
ここで\(\hat{E}\)と\(\hat{H}\)は共に状態ケットベクトルに作用させることができますので,任意の\(1\)粒子状態\(|\psi (t)\rangle\)に対して,
\[\hat{E}|\psi (t)\rangle = \hat{H}|\psi (t)\rangle\]
が求める式になります.
そこでこの演算子の部分を具体的に求めてシュレディンガー方程式を完成させましょう.
まず,左辺はエネルギー演算子の形が分かっていますので,それを代入すると
\[\hat{E}|\psi (t)\rangle = -\frac{\hbar}{i}\frac{d}{dt}|\psi (t)\rangle\]
となることが分かります.
一方,右辺はまずハミルトニアン演算子の具体形を求める必要があります.
少々回りくどいですが,まずハミルトニアン演算子に現れる\(\hat{\boldsymbol{p}}^2\)を導いてみます:
\begin{align*}
\hat{\boldsymbol{p}}^2
=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{x}}\langle\boldsymbol{x}|\int d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int d\boldsymbol{y}\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{x}}\langle\boldsymbol{x}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int d\boldsymbol{y}\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{x}}\delta (\boldsymbol{x}-\boldsymbol{y})\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int d\boldsymbol{y}\int d\boldsymbol{x}\biggl[\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{x}}\left(|\boldsymbol{x}\rangle\delta (\boldsymbol{x}-\boldsymbol{y})\right) – \frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{x}}\left(|\boldsymbol{x}\rangle\right)\delta (\boldsymbol{x}-\boldsymbol{y})\biggr]\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
– \frac{\hbar}{i}\int d\boldsymbol{y}\int d\boldsymbol{x}\nabla _{\boldsymbol{x}}\left(|\boldsymbol{x}\rangle\right)\delta (\boldsymbol{x}-\boldsymbol{y})\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
– \frac{\hbar}{i}\int d\boldsymbol{y}(\nabla _{\boldsymbol{y}}|\boldsymbol{y}\rangle )\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
– \frac{\hbar}{i}\int d\boldsymbol{y}\nabla _{\boldsymbol{y}}\biggl(|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|\biggr)
– |\boldsymbol{y}\rangle\nabla _{\boldsymbol{y}}\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\left(\frac{\hbar}{i}\nabla _{\boldsymbol{y}}\right)^2\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \hbar ^2\nabla ^2_{\boldsymbol{x}}\right)\langle\boldsymbol{x}|
\end{align*}
が得られます.したがってハミルトニアン演算子は,
\begin{align*}
\hat{H}
=&
\frac{\hat{\boldsymbol{p}}^2}{2m} + V(\hat{\boldsymbol{x}})
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}}\right)\langle\boldsymbol{x}| + V(\hat{\boldsymbol{x}})
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}}\right)\langle\boldsymbol{x}| + V(\hat{\boldsymbol{x}})\hat{1}
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}}\right)\langle\boldsymbol{x}| + V(\hat{\boldsymbol{x}})\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}}\right)\langle\boldsymbol{x}| + \int d\boldsymbol{x}V(\boldsymbol{x})|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}}\right)\langle\boldsymbol{x}| + \int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle V(\boldsymbol{x})\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}} + V(\boldsymbol{x})\right)\langle\boldsymbol{x}|
\end{align*}
となりますので求めるシュレディンガー方程式は
\[-\frac{\hbar}{i}\frac{d}{dt}|\psi (t)\rangle = \int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla _{\boldsymbol{x}} + V(\boldsymbol{x})\right)\langle\boldsymbol{x}||\psi (t)\rangle\]
となります.
念のためこの式の両辺に左から\(\langle\boldsymbol{y}|\)を作用させてみると,左辺は,
\begin{align*}
\langle\boldsymbol{y}|-\frac{\hbar}{i}\frac{d}{dt}|\psi (t)\rangle
=&
-\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}\langle\boldsymbol{y}|\psi (t)\rangle
\\=&
-\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}\psi (\boldsymbol{y};t)
\end{align*}
となり,右辺は,
\begin{align*}
\langle\boldsymbol{y}|\int d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}} + V(\boldsymbol{x})\right)\langle\boldsymbol{x}||\psi (t)\rangle
=&
\int d\boldsymbol{x}\langle\boldsymbol{y}|\boldsymbol{x}\rangle\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}} + V(\boldsymbol{x})\right)\langle\boldsymbol{x}||\psi (t)\rangle
\\=&
\int d\boldsymbol{x}\delta (\boldsymbol{y}-\boldsymbol{x})\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{x}} + V(\boldsymbol{x})\right)\langle\boldsymbol{x}||\psi (t)\rangle
\\=&
\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{y}} + V(\boldsymbol{y})\right)\langle\boldsymbol{y}|\psi (t)\rangle
\\=&
\left( – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2_{\boldsymbol{y}} + V(\boldsymbol{y})\right)\psi (\boldsymbol{y};t)
\\=&
– \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2 _{\boldsymbol{y}}\psi (\boldsymbol{y};t) + V(\boldsymbol{y})\psi (\boldsymbol{y};t)
\end{align*}
となるので両辺を結び変数を\(\boldsymbol{x}\)に変えると,
\[-\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}\psi (\boldsymbol{x};t) = – \frac{\hbar ^2}{2m}\nabla ^2\psi (\boldsymbol{x};t) + V(\boldsymbol{x})\psi (\boldsymbol{x};t)\]
となり,よく知られた通常の形のシュレディンガー方程式が得られます.

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XAMPPを用いてローカル環境にWordPressをインストールする(後編)

前回はXAMPPのインストールとXAMPPのコントロールパネルを用いてApacheとMySQLの起動をしました。
今回はいよいよ立ち上げたSQLサーバーにWordPressのデータをインストールします。
まず前回のおさらいで”C:\xampp\xampp-control.exe”より、XAMPPのコントロールパネルを立ち上げます。
次にApacheとMySQLのStartボタンを押して起動します。両方とも緑色に点灯したらMySQLのAdminをクリックします。
するとブラウザが開き、しばらくするとhttp://localhost/phpmyadmin/が表示されます。

この画面左側の新規作成あるいはデータベースタブをクリックして新規データベース作成画面を出します。

データベース名に適当な名前(ここではwordpress_db)を入力してutf8_general_ciを選択して作成をクリックします。

左側の画面に新しくデータベースが作成されたことが分かります。
次に新しく作られたデータベースを選択した状態で特権をクリックします。

新規作成をクリックしてこのデータベースに新しいユーザアカウントを作成します。

ユーザ名とパスワードを入力してグローバル特権にすべてチェックをするにチェックを入れて一番右下の実行をクリックします。

新しいユーザが作成されます。

次にいったんXAMPPは置いといてWordPressをダウンロードします。

https://ja.wordpress.org/install/の「WordPressを入手」より、WordPressをダウンロードします。次のページのダウンロードボタンからWordPressをダウンロードしたら、保存したzipファイルを解凍してできたwordpressフォルダをC:\xampp\htdocs以下に移動します。

次にブラウザで
http://localhost/wordpress/wp-admin/setup-config.php
を開きます。

上の画面が出ればこれまでのところはインストールが上手くいっています。
あともうちょっとです。

さあ、始めましょう!をクリックします。

データベース名にMySQLで指定したデータベース名(今の場合、wordpress_db)、ユーザ名にそのデータベースの特権が与えられたユーザ名(今の場合wp_user)、パスワードにそのユーザがこのデータベースにログオンするときのパスワードを入力して送信をクリックします。

インストール実行をクリックします。

画面にも表示されてますようにここでの設定は後から修正することが出来ますので、あまり神経質にならずに入力しましょう。
入力が済んだらWordPressをインストールをクリックしますが、一点、登録するメールアドレスだけは慎重に間違いがないか確認しましょう。というのもパスワードを忘れた際などにこのメールアドレス宛に認証メールが届くからです。

問題がなければクリックします。

問題がなければ上の画面になります。
ログインをクリックしてログイン画面に入ります。
ログイン画面ではSQLのデータベースのユーザ名ではなくWordPressのユーザ名とパスワードを入力することに注意してください。

ログオンに成功するとWordPressのダッシュボード画面になります。

これでローカル環境にWordPressがインストールできました!

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XAMPPを用いてローカル環境にWordPressをインストールする(前編)

初めての方も2度目以降の方もこんにちは。Web系の技術を学習中の竜太と申します。

今回は幅広く利用されているブログツールのWordPressをローカルサーバーにインストールする方法をご紹介します。

ここをご覧の方ならご存じの事とは思うのですが、自由にカスタマイズできるブログサービスを提供できるWordPressですが、
カスタマイズが自由にできる反面、いったんいじくると元に戻すのが難しかったりします。また、通常WordPressが動くレンタルサーバーにインストールして使用するのが普通ですが、
いきなりそれだと動作検証や設定方法の確認などがしづらいという点があります。

そんな時はまず最初にローカル環境にWordPressをインストールして動作検証をまず先にしてみてはいかがでしょうか。
たとえローカル環境とはいえサーバーアプリケーションであるApacheを使用しますので、動作自体はレンタルサーバーにインストールしたWordPressとほぼ一緒です。
またプラグインなどもほとんど動きますので、どのプラグインを導入するべきか迷っているときなどの動作検証時にも重宝します。

それではこれからXAMPPを用いてWordPressをインストールしてみましょう。

XAMPPのインストール編

XAMPP(ザンプ)はWebアプリケーションの主にサーバーサイドの実行に必要なフリーウェアを一つのパッケージとして提供するアプリケーションです。
今回使用するWebサーバーのApache(アパッチ)やSQLデータベースのMySQLも含まれています。

それではまずXAMPPを入手しましょう。

XAMPPのダウンロード

まず
https://www.apachefriends.org/jp/index.html からXAMPP本体をダウンロードします。
今回はWindows向けのインストールをご紹介しますのでWindows向けXAMPPのボタンをクリックします。

すると上のダイアログが表示されますので、ファイルを保存をクリックします。

XAMPPのインストール

しばらくするとxampp-windows-x64-7.4.6-0-VC15-installer.exeが保存されますので、ダブルクリックで開きます。

すると「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されますので「はい」をクリックします。

しばらくすると、ウイルス対策ソフトが導入されている場合、上記ダイアログが表示されますが、そのまま「Yes」をクリックするかウィルス対策ソフトを一時的に停止して「Yes」をクリックします。

アクティベートされたユーザーアカウントコントロールによってXAMPPの一部の機能が制限される可能性がある旨表示されますが、今回は関係ないのでそのまま「OK」をクリックします。

何度かSetupダイアログにメッセージが表示されますが、今回はインストールする言語を英語でパッケージに含まれる全てのソフトをインストールするので「Next」をクリックし続けます。

インストールが始まります。

しばらくすると上記ダイアログが出るので「Finish」をクリックして終了します。

これでXAMPPのインストールは完了しています。
次にXAMPP Control Panelを立ち上げます。
(初回はインストール時のデフォルト設定で自動で立ち上がります)

“C:\xampp\xampp-control.exe”をクリックしてXAMPP Control Panelを立ち上げます。

WordPressはSQLデータベースのMySQLにインストールしてApacheサーバーで提供しますので、コントロールパネルのApacheとMySQLの「Start」ボタンを二つともクリックします(順番はどちらが先でも構いません)。

一瞬それぞれの表示名がビジーを示す黄色で表示されますが、しばらくすると両方とも緑色の表示になります。

これで、ApacheとMySQLが起動しました。

次回はこのSQLサーバーにWordPressのデータベースを構築します。

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量子力学のための数学(フーリエ変換と相対論的共変性)

今回はエネルギー演算子\(\hat{E}\)が

\[\hat{E} = -\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}\]

となることを導きたいのですが,これを導くには波動関数\(\Psi (\boldsymbol{x},t)\)のフーリエ展開が

\[\Psi (\boldsymbol{x},t) = \frac{1}{\sqrt{(2\pi )^{d+1}}}\int _{-\infty}^{\infty}d\omega\int _{\Omega}d\boldsymbol{k}\Psi (\boldsymbol{k},\omega )e^{-i(\omega t – \boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{x})}\]

となることを知っておく必要があります.ここで次の二つのことが疑問になるかもしれません:

  • 何故\(e^{-i(E t – \boldsymbol{p}\cdot\boldsymbol{x})}\)じゃなくて\(e^{-i(\omega t – \boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{x})}\)なのか?
  • 何故\(e^{-i(\omega t + \boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{x})}\)じゃなくて\(e^{-i(\omega t – \boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{x})}\)なのか?

一つ目の答えは\(e\)の肩に乗るのは無単位じゃないといけないからです.というのも\(e^A\)を展開すると\(A^2\)や\(A^3\)の項がでますが,
\(A\)が無次元じゃない場合,例えば\(A^2\)と\(A^3\)の単位は決して同じにならないからです.
単位系の選び方にもよりますが\(Et\)や\(p^1x^1\)の単位は通常無単位になりません.
一方振動数\(\omega\)は時間\(t\)の逆数の次元だし,波数\(k^i\)は長さ\(x^i\)の逆数の次元なので積は無次元になります.
次に何故時間成分と位置成分ではフーリエ変換の符号が逆なのでしょうか?
・・・そんなの進行波になる向きに取っただけだろうと思った方もいらっしゃるかもしれませんね.
実はフーリエ展開するときローレンツ変換をしたときローレンツ変換の分だけしか波動関数が変わらないように要請すると\(e\)の肩に乗る量はローレンツ不変な無単位のスカラー量だけに限られてしまうのです.
いま,四元運動量を

\[p^{\mu} = (E/c,p^1,p^2,p^3)\],

座標を

\[x^{\mu} = (ct,x^1,x^2,x^3)\],

とするとこれらから作られるローレンツスカラーは\(px = p_{\mu}x^{\mu} = E/c\times ct – p^1x^1 – p^2x^2 – p^3x^3 = Et – \boldsymbol{p}\cdot\boldsymbol{x}\)だけです.
ただし,これは一般に無次元量ではありませんので,\(E = \hbar\omega ,\ \boldsymbol{p} = \hbar\boldsymbol{k}\)を用いて,全体を\(\hbar\)で割って無単位にしてやる必要があります.
すると,\(e\)の肩にはフーリエ変換するための虚数単位\(-i\)に\(\frac{1}{\hbar}(Et-\boldsymbol{p}\cdot\boldsymbol{x}) = \omega t – \boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{x}\)を掛けた

\[-\frac{i}{\hbar}(Et-\boldsymbol{p}\cdot\boldsymbol{x}) = -i(\omega t – \boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{x})\]

だけが候補となるわけです.つまり,通常の非相対論的量子力学の場合であっても相対論からの要請が,フーリエ変換の符号に現れているわけです.
一方,このことはこうも解釈できます.ブラ\(\langle x|\)のフーリエ展開が\(e^{+ikx}\)ならば,ブラ\(\langle\Psi (t)|\)のフーリエ展開も同じ符号の\(e^{+i\omega t}\)なので
\(\Psi (x,t) = \langle x|\Psi (t)\rangle\)のフーリエ展開は\(e^{-i\omega t + ikx}\)になるべきなので,この考えでもちゃんと符号が反転します.

こうしてフーリエ展開の符号の反転の謎が解けたので,いよいよエネルギー演算子\(\hat{E}\)を導きましょう:

\begin{align*}
\hat{E}|\Psi (t)\rangle
=&
\hbar\hat{\omega}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\hbar\hat{\omega}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int _{-\infty}^{\infty}d\omega ^{\prime}|\Psi(\omega ^{\prime})\rangle e^{-i\omega ^{\prime}t}
\\=&
\hbar\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int _{-\infty}^{\infty}d\omega ^{\prime}\hat{\omega}|\Psi(\omega ^{\prime})\rangle e^{-i\omega ^{\prime}t}
\\=&
\hbar\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int _{-\infty}^{\infty}d\omega ^{\prime}\omega ^{\prime}|\Psi(\omega ^{\prime})\rangle e^{-i\omega ^{\prime}t}
\\=&
\hbar\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int _{-\infty}^{\infty}d\omega ^{\prime}\left[-\frac{1}{i}\frac{\partial}{\partial t}\left(|\Psi(\omega ^{\prime})\rangle e^{-i\omega ^{\prime}t}\right)\right]
\\=&
-\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int _{-\infty}^{\infty}d\omega ^{\prime}|\Psi(\omega ^{\prime})\rangle e^{-i\omega ^{\prime}t}
\\=&
-\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}|\Psi (t)\rangle
\end{align*}

以上より,

\[\hat{E} = -\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial t}\]

が示されました.

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量子力学のための数学(位置演算子と運動量演算子の交換関係)

さて,前回までで,

\begin{align*}
\hat{\boldsymbol{x}} =& \int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
\\
\hat{\boldsymbol{p}} =& \int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{\hbar}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}|
\end{align*}

と書けることが分かりました.今回はこれを用いて,

\[[\hat{x^i},\hat{p^j}] = i\hbar\delta ^{ij}\]

を示します.

いま,\([\hat{x^i},\hat{p^j}] = \hat{x^i}\hat{p^j} – \hat{p^j}\hat{x^i}\)ですので,まず,\(\hat{x^i}\hat{p^j}\)と\(\hat{p^j}\hat{x^i}\)を別々に求めて最後に引いてみることにします.
まず,最初に\(\hat{x^i}\hat{p^j}\)を計算します:

\begin{align*}
\hat{x^i}\hat{p^j}
=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i|\boldsymbol{x}\rangle\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}\langle\boldsymbol{x}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i|\boldsymbol{x}\rangle\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}\delta (\boldsymbol{x} – \boldsymbol{y})\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i|\boldsymbol{x}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}

\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}

\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}
-\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\delta ^{ij}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
-\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}x^i\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}
-\frac{\hbar}{i}\delta ^{ij}\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
-\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}x^i\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}
+i\hbar\delta ^{ij}
-\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}x^i\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|
\end{align*}

次に\(\hat{p^j}\hat{x^i}\)を計算します:

\begin{align*}
\hat{p^j}\hat{x^i}
=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\langle\boldsymbol{y}|\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i\langle\boldsymbol{y}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}x^i\delta (\boldsymbol{y}-\boldsymbol{x})\langle\boldsymbol{x}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}|\boldsymbol{y}\rangle\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}y^i\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\biggl\{|\boldsymbol{y}\rangle y^i\langle\boldsymbol{y}|\biggr\}

\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\biggl\{|\boldsymbol{y}\rangle\biggr\}y^i\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial y^j}\biggl\{y^i|\boldsymbol{y}\rangle\langle\boldsymbol{y}|\biggr\}

\int _{\Omega}d\boldsymbol{y}\frac{\hbar}{i}y^i\frac{\partial}{\partial y^j}\biggl\{|\boldsymbol{y}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{y}|
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{x^i|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}

\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{\hbar}{i}x^i\frac{\partial}{\partial x^j}\biggl\{|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|
\end{align*}

以上より,

\[[\hat{x^i},\hat{p^j}] = \hat{x^i}\hat{p^j} – \hat{p^j}\hat{x^i} = i\hbar\delta ^{ij}\]

が示されました.

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量子力学のための数学(運動量演算子を導く)

竜太です,ども,ども.
これまでの準備を踏まえ,いよいよ運動量演算子の座標基底表示を導くことができます.
導くのはこれです:

\[\tilde{p} = \frac{\hbar}{i}\nabla\]

それでは早速これを導いてみましょう.
まず,実験事実として,\(\boldsymbol{p} = \hbar\boldsymbol{k}\)が分かってますので,

\[\tilde{k} = \frac{1}{i}\nabla\]

が示せればいいことに注意しましょう.
またチルダを付けた演算子を波動関数に作用させる演算子として定義し,ハットが付いた演算子をケットベクトルに作用させる演算子として区別します.
つまり,任意の演算子\(A\)に対し,

\[\tilde{A}\Psi (\boldsymbol{x},t) = \langle\boldsymbol{x}|\hat{A}|\Psi (t)\rangle\]

と仮定します.
このとき波数演算子\(\hat{\boldsymbol{k}}\)を任意のケット状態\(|\Psi (t)\rangle\)に作用させると,

\begin{align*}
\hat{\boldsymbol{k}}|\Psi (t)\rangle
=&
\hat{\boldsymbol{k}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\hat{\boldsymbol{k}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{\sqrt{(2\pi )^d}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{k}^{\prime}e^{-i\boldsymbol{k}^{\prime}\cdot\boldsymbol{x}}|\boldsymbol{k}^{\prime}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{\sqrt{(2\pi )^d}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{k}^{\prime}e^{-i\boldsymbol{k}^{\prime}\cdot\boldsymbol{x}}\hat{\boldsymbol{k}}|\boldsymbol{k}^{\prime}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{\sqrt{(2\pi )^d}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{k}^{\prime}e^{-i\boldsymbol{k}^{\prime}\cdot\boldsymbol{x}}\boldsymbol{k}^{\prime}|\boldsymbol{k}^{\prime}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{\sqrt{(2\pi )^d}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{k}^{\prime}\frac{1}{-i}\nabla\biggl\{e^{-i\boldsymbol{k}^{\prime}\cdot\boldsymbol{x}}|\boldsymbol{k}^{\prime}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{-i}\nabla\biggl\{\frac{1}{\sqrt{(2\pi )^d}}\int _{\Omega}d\boldsymbol{k}^{\prime}e^{-i\boldsymbol{k}^{\prime}\cdot\boldsymbol{x}}|\boldsymbol{k}^{\prime}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{-i}\nabla\biggl\{|\boldsymbol{x}\rangle\biggr\}\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}\frac{1}{-i}\nabla\biggl\{|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}|\Psi (t)\rangle
-\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{1}{-i}\nabla\biggl\{\langle\boldsymbol{x}|\biggr\}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\biggl[\frac{1}{-i}|\boldsymbol{x}\rangle\langle\boldsymbol{x}|\biggr]_{-\infty}^{\infty}|\Psi (t)\rangle
+\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}||\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}||\Psi (t)\rangle
\end{align*}
が得られます.ただし,最後の行で\(|x\rangle\langle x|\)が無限遠方でゼロになることを用いました.
(有限のケットベクトルを作用させると常にゼロになることに注意)

いま,\(|\Psi (t)\rangle\)は任意でしたので,結局,

\[\hat{\boldsymbol{k}}
=
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}\rangle\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}|
\]

が示せました.これより、左から\(\langle\boldsymbol{x}|\)作用させて右から\(|\Psi (t)\rangle\)を作用させると、

\begin{align*}
\tilde{k}\Psi (\boldsymbol{x},t)
=&
\langle\boldsymbol{x}|\hat{k}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\langle\boldsymbol{x}|\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}^{\prime}|\boldsymbol{x}^{\prime}\rangle\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}^{\prime}||\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}^{\prime}\langle\boldsymbol{x}|\boldsymbol{x}^{\prime}\rangle\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}^{\prime}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\int _{\Omega}d\boldsymbol{x}^{\prime}\delta (\boldsymbol{x}-\boldsymbol{x}^{\prime})\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}^{\prime}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\frac{1}{i}\nabla\langle\boldsymbol{x}|\Psi (t)\rangle
\\=&
\frac{1}{i}\nabla\Psi (\boldsymbol{x},t)
\end{align*}

が得られます.以上より、

\[\tilde{k}\Psi (\boldsymbol{x},t) = \frac{1}{i}\nabla\Psi (\boldsymbol{x},t)\]

が示せたので、

\[\tilde{p}\Psi (\boldsymbol{x},t) = \frac{\hbar}{i}\nabla\Psi (\boldsymbol{x},t)\]

が示されました.

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